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体内時計と睡眠の関係:健康的なリズムを作る習慣とは

朝スッキリと起きられない

夜ベッドに入ってもなかなか眠れない

日中に急な眠気が襲ってくる

このような睡眠に関する悩みの原因の一つに体内時計の乱れがあります。

体内時計は、睡眠に限らず食事や体温、ホルモン分泌などの生体機能を維持するためにとても重要な役割を果たしています。

そのため、体内時計を整えることで、睡眠の質を向上して、日々の活力や集中力を高めることに繋がるのです。

そこで本記事では、体内時計と睡眠の関係や体内時計を整える方法について解説します。

ぜひ本記事を参考にして、健康的なリズムを作っていってください。

目次

体内時計とは?その仕組みと健康への影響

質の良い睡眠を取るうえで、体内時計を整えることは非常に重要です。

ここでは、睡眠に影響を与える体内時計の仕組みについて解説します。

体内時計の基本的な仕組み

体内時計は、「概日リズム」とも呼ばれ、24時間周期で体のリズムを整えてくれる機能です。

昼夜の変化に応じて、ホルモン分泌や睡眠・覚醒、他にも体温調節を行っています。

体内時計には、司令塔の役割として脳の「視交叉上核」という部分が親時計の役割を果たしています。

この親時計が主に目からの光の情報を受け取ることで、体全体の体内リズムを調整しているのです。

また、肝臓や筋肉などの各臓器や細胞には、末梢時計が存在しており、親時計とともに体内のリズムを一定に保つ役割を果たしています。

体内時計が乱れるとどうなるのか?

普段の生活の中でも体内時計が乱れてしまう原因は数多くあります。

例えば、深夜のブルーライトや夜型の生活、不規則な食事や運動、そしてストレスなど現代社会では、体内時計が乱れる原因で溢れています。

しかし、このような体内時計の乱れは次のような影響があるため注意が必要です。

  • 睡眠障害:寝付きが悪い、夜中に目が覚める、日中の眠気
  • 生活習慣病:糖尿病・高血圧・脂質異常症のリスク増加、肥満など
  • 精神的なリスク:気分の落ち込み、ストレス増加、集中力低下

体内時計の乱れは、平日と休日で就寝時間や起床時間が大きくズレてしまうことで起こる「社会的時差ボケ」によっても発生します。

こうした体内時計の乱れやズレが、日中のパフォーマンスを低下させて、健康状態にも悪影響を与えてしまうのです。

体内時計とメラトニン:睡眠ホルモンの理解と活用

体内時計はホルモンの影響を大きく受けています。

その中でも「メラトニン」は、睡眠に大きく関わるホルモンです。

ここでは睡眠ホルモンのメラトニンの役割や活用法を解説します。

メラトニンとは?その役割と仕組み

メラトニンとは、睡眠ホルモンと呼ばれる睡眠を促すホルモンです。

脳の松果体という部位から分泌されて、主に夜間に分泌量が増えることで眠気を誘います。

このメラトニンの分泌は、光の影響を受けるため、朝に日光を浴びることで分泌が抑制されて覚醒し、夜の暗くなる時間になるとメラトニンの分泌が増加して自然な眠気を誘います。

しかし、スマートフォンやPCから発するブルーライトの影響も大きく受けるため、夜間のスマートフォンやPCのブルーライトによってメラトニンの分泌が抑制されて、睡眠の質が低下してしまうので注意が必要です。

そのため、就寝前の30分〜1時間前にはブルーライトを浴びない習慣作りが大切です。

メラトニン分泌を助ける生活習慣

メラトニンの分泌をうまく利用することで質の良い睡眠を取ることができます。

特に次の3つの方法は意識できるといいでしょう。

朝日を浴びる

朝目覚めたらまず朝日を浴びましょう。

朝日を浴びることで、体内時計がリセットされます。

起床後およそ15時間後程度にメラトニンが再び分泌し始めて、夜に自然な眠気によって入眠できるため、おすすめの習慣です。

就寝前のブルーライトを避ける

自然な入眠に入るためには、就寝前の習慣も重要です。

特に就寝前のブルーライトは、メラトニンの分泌を妨げてしまい、睡眠の質が低下する原因になります。

そのため、少なくとも就寝30分〜1時間前にはスマートフォンやPCを控える習慣を作りましょう。

また、照明の色も間接照明や暖色系の光を取り入れることで、メラトニン分泌がしやすくなり、自然な入眠をサポートします。

就寝・起床時間を一定に保つ

メラトニンの分泌リズムは、就寝・起床時間によっても大きく影響します。

例えば、週末の遅い時間の起床や寝溜めは、「社会的時差ぼけ」と呼ばれる状態を引き起こし、体内時計を乱す原因です。

そのため、週末などの休日も就寝と起床時間を1時間以内の誤差に保つことを心がけましょう。

メラトニンサプリの活用法と注意点

メラトニンは、体内で分泌されるホルモンですが、サプリメントを活用することもできます。

メラトニンサプリメントは、含有されているメラトニンにより体内時計が整うことが期待されるため、体内時計が乱れた場合や時差ぼけ解消に役立ちます。

ただし、メラトニンのサプリメントの長期使用はおすすめできません。

メラトニンのサプリメントは体内時計を整えるためのサポートをするものであるため、同時に生活習慣の見直しも進めていきましょう。

体内時計を整える3つのアプローチ

体内時計を整えるアプローチは大きく3つに分類されます。

ここで紹介する3つのポイントは、特に体内時計に大きな影響を与えているため、まずこの3つのポイントから意識しましょう。

体内時計を整える「光」

体内時計を整える最も重要なものが「光」です。

体内時計を調整するホルモンであるメラトニンは、光の影響を強く受けます。

朝起床後に15分程度太陽の光を浴びることで、体内時計がリセットされて、1日の活動をスムーズに始められます。

一方で、夜は強い光を浴びることで、メラトニンの分泌を妨げてしまうため、就寝前のスマートフォンやPCからのブルーライトは体内時計が乱れる主な原因です。

また、部屋の中を暖色系の照明や間接照明を使用して、リラックス空間を作ることで自然な眠りにつくことができるでしょう。

  • 起床後30分以内に太陽の光を浴びる
  • 寝る1時間前からブルーライトを避けてリラックスモード

規則正しい食事のタイミングを意識する

体内時計を一定に保つために、食事のタイミングも重要です。

例えば、朝食を取ることで、体内時計がリセットされるため、体内時計のリズムを一定に保つためには、朝食は取ることを意識しましょう。

また、夕食は遅くても就寝前3時間前までに取っておくといいでしょう。

夕食後、体内では消化や吸収が活発化するため、夕食後にすぐに就寝しても体の中では消化活動が行われており、睡眠の質が低下してしまいます。

そのため、夕食は就寝3時間前までに取ることがおすすめです。

  • 朝食は起床1時間後
  • 夕食は寝る3時間前までに

適度な運動習慣を取り入れる

朝や寝る前の適度な運動習慣は、質の良い睡眠を取るうえで大切な要素です。

例えば、朝の軽い運動や散歩は、体温が上昇して、覚醒を促進させます。

特に朝散歩は、太陽の光を浴びることもできるため、相乗効果が期待できるでしょう。

また、寝る前にも適度に体を動かして、ほぐしておくことでリラックス効果が期待できるためおすすめです。

  • 朝散歩やストレッチで体を覚醒モードに
  • 夕方はジョギングや筋トレなどの有酸素運動
  • 寝る前はストレッチでリラックス効果

【時間別】体内時計を整える生活習慣術

体内時計を整えるためには、時間帯を意識することがおすすめです。

ここでは、時間帯別で体内時計を整える生活習慣について紹介します。

【朝】6~9時:朝日を浴びて体を目覚めさせる

朝は、体内時計をリセットさせる絶好のタイミングです。

太陽の光を浴びながらの朝散歩や朝食を取ることで、体内時計をリセットさせて、日中を気持ちよく過ごせるように体を起こしていきましょう。

  • カーテンを開けて朝日を浴びる。
  • 炭水化物とたんぱく質を組み合わせた朝食を摂る。
  • 軽い運動(散歩やストレッチ)を行い、体温を上げる。

【昼】12~15時:日中の活動を充実させる

日中は、代謝が活発的な時間帯です。

昼食の時間帯は一定に保ちつつ、日中の間も日光を浴びる時間を設けるようにしましょう。

  • 昼食は12~13時に摂る。
  • 90分サイクルで休憩を入れ、集中力を保つ。
  • 屋外に出るか、窓際で日光を浴びる。

【夜】18~22時:リラックスして質の良い眠りへ

夜の時間は、徐々に体をリラックスモードにシフトさせる時間帯です。

夕食は、就寝3時間前までに取ることや、しっかりと湯船に浸かることで体をリラックスさせるようにしましょう。

  • 夕食は18~19時に摂る。
  • 寝る前1時間は読書やストレッチでリラックス。
  • 照明を暖色系に切り替え、スマートフォンを使わない。

【就寝】22~23時:眠りにつく準備

就寝前は、質の良い睡眠を取るために特に重要な時間帯です。

基本的には就寝タイミングは、誤差1時間程度で一定に保ちましょう。

また、就寝前の寝室の環境づくりも重要です。

快適な温度・湿度を保ち、ナイトウェアに着替える、そして就寝前にはスマホなどのブルーライトを浴びないように気をつけることでリラックスした状態で眠りにつくことができるでしょう。

  • 就寝時間を一定に保つ(毎日同じ時間に寝る)。
  • 部屋を暗くして快適な温度・湿度を保つ。
  • 深呼吸や軽い瞑想を行い、リラックスして眠りにつく。

体内時計を整える習慣作り

体内時計を整えるためには、「習慣化」がカギになります。

ここでは、体内時計を整える生活習慣を習慣化させる方法を解説します。

小さな一歩から始める習慣作り

生活習慣は簡単には変わりません。

取り入れてみたものの長くは続かない、すぐにもとに戻ってしまうということも多いため、小さく始めることが重要です。

例えば、次のようにできる限り簡単に取り入れやすい形で始めるのがおすすめです。

朝習慣

起床後にカーテンを開けるだけでも、部屋が明るくなるため、体内時計をリセットさせるためには効果的です。

また、休日の起床時間を、平日より1時間程度遅い時間には起きることや寝溜めを減らすことから始めましょう。

簡単な朝食

忙しい朝でも簡単に食べれるバナナやヨーグルトがおすすめです。

まずは短時間で栄養を取れる朝ご飯から始めましょう。

就寝前のナイトルーティン

まずは就寝前の30分前からスマホをやめることから始めるのがおすすめです。

そして、スマホをやっていた時間でストレッチなどのナイトルーティンを取り入れることで、リラックスした状態で眠りに入れます。

体内時計を整える習慣化の注意点

体内時計を整えるために新たな生活習慣を取り入れる際には、気をつけなければならない点が数多くあります。

ここでは、体内時計を整える生活習慣をスムーズに取り入れるための注意点を3つ解説します。

無理をしないこと

習慣化をする際に無理は禁物です。

最初に変えようと頑張っても長続きさせるのは難しいです。

そのため、最初から無理をせずに取り組める範囲から徐々に始めていくことが大切です。

例えば、最初から毎日行うのではなく、まずは週3日程度、朝の光を始めるところから始めることが重要です。

自分に合った方法を選ぶ

生活習慣として取り入れて長続きするには、自分にあった方法であることも重要です。

例えば、もし朝起きて朝日を浴びるのが難しい場合は、午前中の散歩や夜のナイトルーティンに重点を置くことで、自分自身の生活に合わせた習慣を取り入れることができます。

専門家に相談する

睡眠障害が日常生活にも大きな影響を及ぼしている場合は、専門家に相談することも重要です。

無理に自己解決しようとせずに、専門家に相談するようにしましょう。

生活習慣を継続させるポイント

生活習慣を試しに取り入れてもなかなか継続しないという場合が多いです。

そこでここでは、取り入れた生活習慣を継続させるポイントを3つ紹介します。

短期目標を立てる

体内時計を整えるために目標を定めることは効果的な方法です。

しかし、目標設定する際には、1日や1週間単位の短期目標を立てることで継続がしやすくなります。

例えば、「今週は毎朝同じ時間に起きる」「今日の夜は就寝1時間前にはスマホをやめる」といった感じで細かく目標を立てましょう。

短期目標を少しずつ達成していくことで自信もつき、継続がしやすくなります。

家族や友人と共有する

自分一人で継続することは難しいと思う人も多いでしょう。

そのような場合は、家族や友人と共有することや一緒に取り組むこともおすすめです。

一人では難しい場合も何人かで取り組むことでモチベーションの維持にも繋がるため、継続しやすくなります。

周りで同じく体内時計の乱れに悩んでいる人がいればぜひ一緒に取り組んでみましょう。

睡眠記録をつける

体内時計を整えるために睡眠記録をつけることは非常に効果的です。

特に日頃、自分自身の睡眠や生活習慣を見返す機会はあまりありません。

そのため、自分の睡眠や生活習慣を見返し、新しく取り組んだことを進捗として記録することで、小さな成功体験も増えていき、継続しやすくなるためおすすめの方法です。

おわりに:体内時計を整えて充実した毎日を

ここまで体内時計の仕組みや睡眠との関係、そして体内時計を整える方法を紹介してきました。

体内時計は、メラトニンと呼ばれるホルモンが大きく影響しています。

そしてメラトニンの分泌をコントロールすることで、睡眠の質を上げて、健康面や日々の生活の充実感を得ることにも繋がるのです。

そのため、本記事でも紹介している時間別の生活習慣をまずは一つ実践することから始めて、睡眠の質を上げていきましょう。

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この記事を書いた人

nemulabのアバター nemulab 薬剤師

薬剤師
2022年に卒業以降、ドラッグストアや製薬企業で経験を積む
薬剤師としての専門知識、そして睡眠に悩む方々へのカウンセリング経験を活かして情報発信を行なっている

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